

法務省は2026年度、受刑者が飼い主のいない犬を育てる「保護犬育成プログラム」を全国に拡大します。
尾道刑務支所ではNPOと連携し、保護犬の世話や訓練を実施しています。当初は互いに警戒していたものの、ふれあいを重ねる中で信頼関係が生まれ、受刑者の更生や再犯防止につながると期待されています。その過程は、人が他者と関係を築き直すプロセスとも重なります。
犬にとっても人に慣れる訓練となり、里親が見つかるケースもあります。
なぜ、保護犬を育てることが受刑者の更生につながるのでしょうか。その背景を考えていきます。
ココがポイント
受刑者と保護犬、慈しみの心育む 更生プログラム全国に拡大へ出典:毎日新聞 2026/3/22(日)
水戸刑務所で保護犬訓練、受刑者の自己肯定感育む「失敗を次の成功へ」出典:産経新聞 2026/3/25(水)
刑務所から再スタートへ…暴力受けて育った受刑者と里親に見放された保護犬 リードで伝え合う思いやりと信じる心出典:東海テレビ 2026/3/21(土)
エキスパートの補足・見解
全国に拡大が進む、刑務所で行われている保護犬育成プログラムは、動物福祉と人の更生を同時に実現しようとする、非常に意義深い取り組みだと感じます。
人に警戒心を持つ保護犬が、受刑者とのふれあいを通じて少しずつ心を開いていく過程は、単なる訓練ではなく、「信頼関係の再構築」そのものです。
受刑者が犬に触れるたびに、その体温のぬくもりを感じます。犬の体温は人よりもやや高い38度前後で、機械にはない“生きた温かさ”があります。
そしてその変化は、犬だけでなく受刑者の心にも確実に影響を与えています。実際に、表情が穏やかになる、過去の温かい記憶がよみがえるといった変化は、更生において非常に重要な要素です。どのような背景で刑務所に入るに至ったかは人それぞれですが、この犬のぬくもりは人の心に優しさをもたらします。
「誰かの役に立っている」という実感は自己肯定感の回復につながり、再犯防止にも大きく寄与するでしょう。
一方で保護犬にとっても、人に慣れることで譲渡の可能性が高まり、新たな家族との出会いへとつながります。犬は、人を繋ぐ潤滑油の役割もあります。人と動物が互いに支え合う社会を、私たちはどこまで実現できるのでしょうか。
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